Microsoft Officeはいろいろ種類があり、またライセンスの問題もあってとても複雑です。
以前のOfficeはパッケージ版と言って、箱に入ったCD-ROMで売られていましたが、現在は廃止されてダウンロードタイプになっています。
1回買うとずっと使えるやつ
買い切り型、永続版と言われるのがこれです。
価格はAmazonで3.5万円
ちょっと高いですが、最初にドーンと払っておけばずっと使えるのが良い点です。PCは2台までOKです。
個人で長期間使うなら、なんやかんやでこの永続版が一番お得だとぼくは思ってました。
ところが2018年に発売されたOffice 2019はサポート期間が2025年まで。従来のOfficeよりも短くなってるせいで、コトは単純ではなくなりました。
サポート期間が短くなったということは、実質的な値上げです。
これまでは永続版を買っておけば10年は使えたOfficeが、Office 2019からは7年間しか使えなくなり、永続版のお得度が低下したのです。
実際、「オフィス 永続版 お得」とかで検索すると、Microsoft 365 Personalを推しているサイトがヒットします
このMicrosoft 365 Personalって何?と思う人も多いでしょう。ちょっと前までOffice 365という名前でした。ただでさえわかりにくいのに、名前をコロコロ変えるな!って言いたいところですが、そこはグッと我慢して説明を進めます。
Microsoft 365は1年ごとに契約するスタイルでサブスクリプション方式と呼ばれています。いわゆる「サブスク」ってやつです。
1年間の使用料が約1.2万となっています。1年使って2年目も契約を更新したい場合はまたさらに1.2万。つまり1.2×2=2.4万です。
3年使うと3.6万となり、先に挙げた永続版とほぼ同じ金額。そして4年使うと4.8万で、永続版の方がお得という計算になります。
Officeは大きく分けて、永続版とMicrosoft 365、それにプリインストール版の3種類。どれが良いかは順を追ってみていくことにします
永続版 | 365 | プリインストール | |
価格 | 3.5万 | 年間1.2万 | 2.0万 |
PC台数 | 2台 | 5台 | 1台(買い替え不可) |
最新版に更新 | × | ○ | ○ |
スマホで使える | × | ○ | × |
OneNote Accessなど | × | ○ | × |
OneDrive 1TB | × | ○ | × |
まずは永続版、Microsoft 365、プリインストール版この3つの名前を覚えましょう
Microsoft 365のメリット
Microsoft 365には
・常に新しいバージョンのOfficeが使える
・1TBのクラウドストレージ
・Word、Excel。Powerpoint、Outlookに加え、OneNote、Access、Publisherといった多様なアプリが利用できる
・PCは5台までOK
といったメリットがありますが、一般ユーザーからするとそこまで魅力的なものではありません。
「PC5台までOK」という条件からもわかるように、このMicrosoft 365という商品は普通の家族向けのものではありません。
一般家庭のPC台数は1台か2台くらいでしょう。そうした場合はやはり永続版か、次で説明するプリインストール版がおすすめとなります。
プリインストール版
プリインストール版とは、パソコンにOfficeが最初からインストールされたタイプのやつです
そう。パソコンを買うときに多くの人が条件として挙げる「オフィス付き」ってやつですね。
価格はそのパソコンを売ってるメーカーによって少し変わってきますが、Office 2019のHome and Businessが約2.0万って感じでしょうか。永続版が3.5万でしたからこれだけ見るとプリインストール版の方がお得のように見えます。
しかしプリインストール版はそのパソコン1台でしか使用できないということに注意しないといけません。
パソコンを買い替えたらOfficeも買い替えです。
一方、永続版はパソコンを買い替えてもそのままでOKです。しかも同時にパソコン2台までOKです。
長期的にどちらが得かは、
1.パソコンの保有台数
2.パソコンの買い替え年数
3.2025年にOffice 2019のサポート終了
この3つの条件で決まります。
2026年までシミュレートしてみた
◆条件1(パソコン1台、3年で買い替え)
永続版 | プリインストール | 365 | |
2020年 | 3.5万 | 2.0万 | 1.2万 |
2021年 | 3.5万 | 2.0万 | 2.4万 |
2022年 | 3.5万 | 2.0万 | 3.6万 |
2023年(パソコン買い替え) | 3.5万 | 4.0万 | 4.8万 |
2024年 | 3.5万 | 4.0万 | 6.0万 |
2025年(Office 2019のサポート終了) | 7.0万 | 4.0万 | 7.2万 |
2026年(パソコン買い替え) | 7.0万 | 6.0万 | 8.4万 |
最初はパソコン1台、3年で買い替えとした場合の結果です。
ポイントは2025年に来るOffice 2019のサポート終了。永続版はここで新しくOfficeを買い直されないといけません。その出費が痛く、2026年までのシミュレーション結果ではプリインストール版が最もお得と出ました。
◆条件2(パソコン2台、3年で買い替え)
永続版 | プリインストール | 365 | |
2020年 | 3.5万 | 4.0万 | 1.2万 |
2021年 | 3.5万 | 4.0万 | 2.4万 |
2022年 | 3.5万 | 4.0万 | 3.6万 |
2023年(パソコン買い替え) | 3.5万 | 8.0万 | 4.8万 |
2024年 | 3.5万 | 8.0万 | 6.0万 |
2025年(Office 2019のサポート終了) | 7.0万 | 8.0万 | 7.2万 |
2026年(パソコン買い替え) | 7.0万 | 12.0万 | 8.4万 |
次の条件はパソコンを2台にした場合。この場合は永続版が強いです。
プリインストール版はパソコン1台につき2万かかるのが響いてもっとも損な選択となっています。
◆条件3(パソコン2台、4年で買い替え)
永続版 | プリインストール | 365 | |
2020年 | 3.5万 | 4.0万 | 1.2万 |
2021年 | 3.5万 | 4.0万 | 2.4万 |
2022年 | 3.5万 | 4.0万 | 3.6万 |
2023年 | 3.5万 | 4.0万 | 4.8万 |
2024年(パソコン買い替え) | 3.5万 | 8.0万 | 6.0万 |
2025年(Office 2019のサポート終了) | 7.0万 | 8.0万 | 7.2万 |
2026年 | 7.0万 | 8.0万 | 8.4万 |
買い替え年数を4年に延ばした場合。この場合もベストは永続版です。差は縮まりましたが、やはりパソコン2台だと永続版がお得となりそうです。
◆条件4(パソコン3台、4年で買い替え)
永続版 + プリインストール | プリインストール | 365 | |
2020年 | 5.5万 | 6.0万 | 1.2万 |
2021年 | 5.5万 | 6.0万 | 2.4万 |
2022年 | 5.5万 | 6.0万 | 3.6万 |
2023年 | 5.5万 | 6.0万 | 4.8万 |
2024年(パソコン買い替え) | 7.5万 | 12.0万 | 6.0万 |
2025年(Office 2019のサポート終了) | 11.0万 | 12.0万 | 7.2万 |
2026年 | 11.0万 | 12.0万 | 8.4万 |
パソコンが3台に増えると、今度はMicrosoft 365が強いです。永続版は2台までなので3台のときは(2台永続+1台プリインストール)でシミュレートしました。
家にパソコンが3台あって、それの全てにOfficeをインストールしている家庭というのはすごくめずらしいと思いますが、3台以上ならMicrosoft 365がベストです
以上をまとめると、
PC1台なら プリインストール版
PC2台なら 永続版
PC3台以上なら Microsoft 365
がおすすめとなります。
繰り返しになりますが、2025年に来るOffice 2019のサポート終了がポイントです。この条件があるので永続版のお得度が低下し、PC1台ならプリインストール版の方がお得になるという結果です。
ただし、プリインストール版はそのPCだけで使えるOfficeなので買い替え前にパソコンが壊れてしまったらさらに出費が増えます。そこは注意しておいてください。
OfficeソフトはAmazonで購入、ダウンロードできます
⇒ Microsoft Office Home & Business 2019(永続版)
プリインストール版は、パソコンを買うときにOffice付きを選ぶことでプリインストール版となります。