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ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionをレビュー

今回はThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionのレビューです【貸出機材提供:Lenovo】

ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Editionは2024年10月発売のノートPC。

  • 超軽量986g
  • CPUはインテルのCore Ultra 200Vシリーズ
  • ディスプレイは14インチ2.8KのOLED

という特徴があります。

あのX1 Carbonが1.0kgを切ったということで、楽しみにしてました。

使い勝手はどうなのか?
性能はしっかり出ているのか?

厳しくチェックしていきたいと思います。

レビュー機のスペック

・OS: Windows 11 Home 64bit
・CPU: Core Ultra 7 258V
・メモリ: 32GB オンボード
・内蔵グラフィックス: Intel Arc 140V
・SSD: 1TB
・ディスプレイ: 14インチ 2880x1800、光沢、OLED
・USBポート: USB-C x2、USB-A x2
・インターフェイス: HDMI、ヘッドフォン
・Webカメラ: FHD、IR対応、プライバシーシャッター
・顔認証あり、指紋認証あり
・Wi-Fi 7 対応
・重量: 986g

レビュー機はCore Ultra 7 258Vに2.8Kの有機ELを搭載したモデル、軽さ、性能の2つが揃った構成です。

2025年2月23日時点では30.4万円(税込、送料込)となっています。

※価格の最新情報はLenovoのオンラインストアで確認してください。

デザイン、ディスプレイ

筐体カラーはお馴染みのブラック

艶消しのブラックで安心感があります。

指紋もさほど気になりません。

以前のThinkPadだとちょっとさわるだけで指紋がベタベタという機種もありましたが、最近はだいぶ改善されています。

重さは実測で982g

とても軽く、片手で楽に扱えます。

毎日持ち歩きしたい人におすすめです。

以前のように1.1kg前後のX1 Carbonも十分良いですが、やはり980g台を体験してしまうと、もう以前の重さには戻れないと思います。

ディスプレイは

・有機EL
・2880×1800
・反射防止ディスプレイ
・縦横比16:10
・輝度(明るさ) 400nit
・色域 sRGBカバー率100%

です。

発色が良く、それでいて反射も抑えられていて見やすいディスプレイです。

下はDELL Inspiron 14 (2023)との比較

10万以下のPCと比べると、鮮やかさが段違いです。

明るさはカタログ値では500nitとありましたが、実測では400nit程度でした。

良い: 982g(実測)で圧倒的に軽い
良い: 有機ELで、反射も比較的抑えられている
微妙: 明るさはカタログ値に達していない

Webカメラ

Webカメラの解像度はFHD。顔認証に対応しています。

写りはまずまず。明るさは良いのですが、もう少しコントラストが効いていてもいいかなと思いました。もやがかかったような写りになっています。

ベンチマーク

CPUはインテルのCore Ultra 7 258V
2024年のCPUではエース格です。

PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、

シングルスレッド: 4329
マルチスレッド: 17511

という結果でした。

マルチスレッドは期待よりも低いスコアです。

マルチスレッドの性能は、動画の書き出しや3DCGのレンダリングといった作業に効きます。現代のクリエイティブワークには必要な性能です。

一方、シングルスレッドの性能は1つ1つの細かい反応速度に効いてくるのでこちらも重要です。本機のシングルスレッドのスコアは、非常に高く、他のCPUを上回っています。

この2つの特徴が、実際のパフォーマンスにどのように寄与するかは以下のテスト結果を見てください。

PCMark 10

PCMark 10はリアルなアプリを使用したベンチマークで、一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。その結果は以下のとおりです。

ここで注目したのはデジタルコンテンツ制作のスコア

本機はやや物足りないスコアです。同じ258Vを搭載したPCよりも下ですし、Core Ultra 7 155HやRyzen 7 8845HSといった2024年前半勢にも負けています。

スコアが伸び悩んだ原因は、マルチスレッド性能が足を引っ張ったせいかと思います。

AIによる画像処理 (Photoshop)

Photoshopのノイズ除去はフォトグラファーがよく使うPhotoshopの新機能です。この処理にかかる時間を計測しました。

こちらは上位に入ります。

ちなみにこの作業はまだNPUに対応しておらず、GPUで対応する形になっています。本機の内蔵GPUはIntel Arc 140Vです。

Davinci Resolveで動画編集

動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。

Davinciは最新バージョンで書き出し時に内蔵GPUのアシストが得られるようになったのですが、本機はその恩恵があまりありません。原因がアプリ側の問題なのか、PC側の問題なのかわかりませんでした。

本機のマルチスレッド性能は低めであることは間違いないので、その点は不安要素です。

ゲーム性能

中量級ゲームのFF 14 黄金のレガシー(2024年発売)の結果は以下のとおり。

1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは7830、「やや快適」という結果で平均フレームレートは56fpsでした。

他の機種と比べても見劣りはしません。中量級ゲームはそれなりに遊べるでしょう。

3DMark FireStrikeのベンチマークは以下のとおり。

スコアは9259と上位グループに入ります。

内蔵グラフィックスのIntel Arc 140Vの性能が優秀であることが確認できます。

以上のことをわかりやすくまとめると

○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○画像編集
△動画編集
△ゲーム

という快適度になります。

良い: グラフィックスの性能が良く、中量級のゲームまで楽しめる
悪い: CPUのマルチスレッド性能が低いので動画書き出しは苦手

キーボードの配列と打鍵感

キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.5mmです。

打鍵感は普通です。押し込んだ後の反発力が足りないような気がしました。980gという軽さを実現するために打鍵感が少し犠牲になってるのではと思います。

キーの形状は良いです。
Enterキーの形状もきれいですし、一段下がった矢印キーやPgUp、PgDnが独立なところも気に入ってます。

中央の赤ポチも健在。最近はこのトラックポイントがないThinkPadも出てるみたいですが、長年のThinkPadファンならこのトラックポイントは必須です。

良い: キーの形状、配列
良い: トラックポイントの操作性
微妙: 打鍵感は普通

インターフェイス

USBポートはUSB-Cが2つとUSB-Aが2つ。

USB-CはThunderbolt 4です、

・転送速度 40Gbps
・PD対応(モバイルバッテリーから充電OK)
・映像出力可能

と全部OKの万能ポートです。

HDMIとヘッドフォンジャックも付いています。

欲を言えば、Thunderboltが左右の側面に1つずつ分かれていると便利でした。最上位機種のX1 Carbonだけにそこも期待したいです。

良い: USB-Cが2つ、USB-Aも2つ
微妙: Thundertboltが左サイドに固まっている

バッテリー、駆動音、熱など

バッテリー容量は57Whです。 
以下の条件でテストしてみました。

・画面の明るさをMAX (400nit)
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し

結果は約11.0時間。

バッテリーライフはとても優秀です。

982gという軽さでこのバッテリーもちは非常に魅力です。

ファン音(駆動音)も静かです。

負荷時の音圧は33デシベルでした。

薄型ノートの平均は35~40デシベルなのでそれよりも静かです。

ただカタカタと振動しているような音が混じっているのが気になりました。音圧の推移を示すグラフも振動してます。

他のレビュー記事で同様の報告はないので、おそらく個体差だと思います。

良い: 長時間バッテリー
微妙: カタカタと振動する音(個体差の可能性)

評価まとめ

悪い点
・CPUのマルチスレッド性能は平均以下
・30万とちょっと高い

良い点
・982gの軽さ
・軽くゲームも楽しめる性能
・長時間バッテリー

1.0kgを切ったX1 Carbon Gen 13。全体を通じてとても良いです。ビジネス用としてはもちろん、クリエイター向けPCとしても高い評価を付けたいです。

ただベンチマークをきっちりとって調べる筆者の立場からすると、指摘せざるを得ない点もあります。

Photoshopとゲームに関しては期待どおりで素晴らしかったですが、動画書き出しなどマルチスレッド性能が効く作業でのパフォーマンスは不満です。

予想以上に良かったのは、バッテリーライフ。
新CPUは消費電力が低く発熱が少ないので、長くもち歩く人にはうれしいポイントです。

あとは価格です。
メモリ32GB、SSD1TBという構成を考えれば30万という価格も実はそこまで高くないです。

LenovoのYoga Slim 7が同じ構成で25万。
本機はそこにThinkPadのキーボードと、軽さが追加されたわけですから30万と言われても納得するしかないでしょう。

Lenovoストア ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition

軽さと性能にそこまでこだわないのであれば、ThinkPad X13という手もあります。

こちらはCPUがCore Ultra 7 155Hでメモリ32GBのモデルが21万で買えます。

安定のThinkPad。ThinkPad X13 Gen 5のレビュー

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