mouse(マウスコンピューター)のX4-R5は2021年2月発売モデル。
- 14型軽量ノート(1.20kg)
- 天板の赤色が目立つ
- CPUはRyzen 5 4600H
という特徴があります。
今回はmouseよりレビュー機を貸出ししてもらい、パフォーマンスをチェックしてみました。
実際に使ってみると、気になる点もいくつか見えてきたので詳しく説明していこうと思います。
まずはスペックから見ていきましょう。
レビュー機のスペック
・CPU: AMD Ryzen 5 4600H
・メモリ: 8GB (8GB x1)
・ストレージ: SSD 256GB
・ディスプレイ: 14型 FHD(1920×1080) 非光沢
・USB: USB3.0 typeC x1、USB3.0 typeA x2、USB2.0x1
・インターフェイス: 有線LAN、HDMI、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・バッテリー: 10.0時間
・サイズ: 320.2×214.5×17.5 mm
・重さ: 1.20kg
レビュー機はデフォルトの構成。価格は8.8万円(税込、送料込)となります。
メモリは8GBでシングルチャネルとなっています。
Ryzen 5 4600Hの性能をフルに発揮させたい場合は、メモリを16GBにアップグレードするのがおすすめです。価格は9.5万円(税込、送料込)で10万以下で収まります。
※価格は2021年3月28日現在のものです。時期により変動することがあるので最新情報はmouse公式のオンラインストアで確認してください。
見た目、デザイン
天板のカラーは赤。
とても目立つ色です。マウスコンピューターのロゴマークであるチーズが中央に配置されています。
ボディ素材には剛性が高いマグネシウム合金を採用しています。
表面の光沢はないので高級感という意味では少し物足りない感じがしますが、指紋が目立ないデザインとなっています。
重量は1.20kg
14型としてはまずまず軽量です。
問題はディスプレイです。
貸出機の液晶ディスプレイは平均よりも暗いディスプレイでした。
輝度は180nit
200nitにも届きません。
写真で見ると明るく見えますが、それはディスプレイにカメラの露出を合わせているからで、実際には少し暗いです。
同じ14型のLenovo IdeaPad C340(写真右)と並べてみると明るさの違いがよくわかります。
コントラストもIdeaPadの方が高く、くっきり見えてます。
IdeaPad C340は2019年モデルで輝度は250nit。これも平均、もしくは平均より少し下という位置づけなのですが、mouse X4-R5はさらにそれよりも下のレベルということになります。
個体差のせいもあるのかもしれません。
他のレビューを読むと、mouse X4-R5の輝度は250nitで平均的と書いてある記事もありました。
しかし、現実にこうした品質のばらつきがあるというのは大きなマイナス点だと言わざるを得ません。
視野角も狭く、角度が付くとさらに画面が暗くなります。
色域もsRGBカバー率が65%と高くありません。
非光沢タイプですが、反射や映り込みも少し気になりました。
このディスプレイだと画像編集や動画編集、あるいは映画鑑賞などには向かないと思います。
ディスプレイ上部にはWebカメラ。カメラは顔認証に対応しています。
しかしこのカメラ、使用しないときに物理的にカメラを隠すことはできません。
最近はセキュリティの関係からほとんどのメーカーでカメラを隠す仕組みが備わっていますが、本機にはそれがないのは残念な点です。
悪い: ディスプレイが暗く、色域も狭い
悪い: Webカメラをワンタッチで無効化できない
ベンチマーク
CPUはRyzen 5 4600H。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、14164というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Ryzen 5 4600H 平均値14850
となっています。
レビュー機はほぼ期待どおりのスコアでした。
次に電源から外してバッテリー駆動時のスコアは12009。電源接続時と比べ低下率は15%。許容範囲内と数値です。
◆リアルなアプリの快適度
さらなるテストとしてPCMark10を実施しました。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
Essentials(一般的な利用) 8525 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)7343 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 4570 (目安3450)
すべての項目で目安となるスコアを上回りました。
スコア的には、Ryzen 5 4500UやCore i7-1165G7と大きな差はありませんが、全ての項目で目安以上のスコアが出ており優秀です。
◆軽めのゲーム
最後にファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ(2019年発売)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件で「普通」という結果でした。平均フレームレートは16fpsでした。
ファイナルファンタジーXIVは軽めのゲームですが、それでも少し苦しい結果です。
ゲームに関してはあまり期待はできないと思います。
◆PhotoshopでRAW現像
実際にPhotoshopでRAW現像にかかる時間を計測してみました
行う画像処理はいつもの条件で2通りです。
条件1.何もせずそのまま現像
条件2.テクスチャ+5、明瞭度+5、かすみの除去+5
そして上記の計測タイムの結果が下のグラフになります。
Core i7-1165G7の平均タイムと比較しています。棒グラフが長い方がタイムが遅いということを意味しています。棒グラフの青がCore i7。赤が本機です。
Photoshopとの相性は悪いです。
Ryzen 5 4600HはCore i7に比べ1.8倍以上も時間がかかっています。
その他の機種と比べても本機のタイムは遅いと言えます。
機種 | CPU | メモリ | タイム |
mouse X4-R5 | Ryzen 5 4600H | 8GB | 20.8 |
Lenovo yoga 650 | Ryzen 5 4500U | 8GB | 12.5 |
HP ENVY x360 15 | Ryzen 5 4500U | 16GB | 11 |
Lenovo Ideapad Flex 550i 15 | Core i5-1035G1 | 8GB | 19.7 |
HP ProBook 635 G7 | Ryzen 7 4700U | 16GB | 13.5 |
Lenovo yoga 750i carbon | Core i7-1165G7 | 16GB | 8.2 |
メモリ8GB(シングルチャネル)ということも関係していると思います。Ryzen 5 4600Hの性能をフルに発揮したい場合はメモリを16GBにしてデュアルチャネル化した方が良いでしょう。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集(RAW現像)
×動画編集
×ゲーム
という目安になるかと思います。
守備範囲は普段使い~ビジネス利用までとなります。
微妙: パフォーマンスは期待ほどではない
キーボード
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.4mmです。
キー配列はオーソドックスです。海外大手のDELLやLenovoだと、右のEnterキー周りに窮屈感があることが多いのですが、mouse X4-R5の場合その心配はありません。
打鍵感も良好です。
またバックライト付きなので、暗い場所でもタイプしやすいです。
良い: オーソドックスなキー配列
良い: 打鍵感は良好
インターフェイス(端子類)
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが3つです。
USB-CはPD対応、モバイルバッテリーから充電可能です。USB-AはUSB3.0が2つ。古い規格のUSB2.0が1つあります。
他には有線LANポート、HDMI、ヘッドフォンジャックが付いています。
軽量ながら有線LANポート(RJ-45)が付いているのが大きな特長で、海外メーカーにはない仕様です。wifiの回線が不安定なときに有線LANでネットに接続できるので、いざというときに助かります。
良い: 有線LANポート付き
バッテリー、排気音、熱など
バッテリー容量は47Wh。駆動時間は公称値で10.0時間です。
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は8.5時間と平均的なバッテリーライフです。
通常時の熱はほとんど問題なく、また音も静かでした。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆ |
短所
・ディスプレイが暗い
・Webカメラをワンタッチで無効化できない
・Adobeソフトとの相性が悪い
長所
・キーボードが打ちやすい
・有線LANポート
・カスタマイズ自由度
一長一短あるので用途を考えてから購入した方がいいでしょう。
基本的にはネット、動画鑑賞、オフィスソフトくらいまでの用途で、それ以上の作業、例えばRAW現像(画像編集)などには向きません。
それはディスプレイが暗く、またAdobeソフト(PhotoshopやLightroom)との相性が悪いというのが理由です。
一方、キーボードは使いやすく、また有線LANポートも付いているので自宅でテレワークをするのには適していると思います。
1.20kgと14型ノートとしてはまずまずの軽さです。ソファでくつろぎながらパソコンを使うというシーンでも、この軽さが活きてくるでしょう。
価格も8.8万円(税込、送料込)と10万を切っています。
mouseのサポート
mouseはサポートにお金をかけています。
24時間365日いつでも電話でサポートを受けられます。
ぼくも一度電話したことがあります。
- 電話はすぐにつながった
- 電話相手は日本人
- パソコンに関しての知識がある
- すぐに問題解決案を2~3個出してくれる
とスムースにサポートを受けることができました。
初心者でも安心して購入できるのが良い点です。