パソコン購入者の口コミって、基本そんなに信頼できません。
普通の人がパソコンを買う頻度って5年に1回とか6年に1回、下手するとそれ以下なので、基準が5年前とか6年前のものなんです。現在の相場を全く知らずに、「コスパが良いです」とか言ってしまう口コミをよく見かけます。
それ自体は悪気はないので、別に批判するつもりはありません。
ただそうした素人の口コミを鵜呑みのしてしまうのはどうかと思います。
◆そもそもコスパの意味を知らない
コスパはコストパフォーマンスの略。
つまり同じ性能のパソコンで価格を比較しないといけません。
それなのに、単に安さだけしか見ていない人もたまにいます。
3万のパソコンでも、コスパの良いパソコンとコスパの悪いパソコンがあるのです。
◆相場を知らない
ちゃんと相場を知ってる人も意外と少ないです。
Ryzen 5搭載で10万以下ならコスパ良しとか、大雑把すぎる評価をよく見かけます。
Ryzen 5搭載なら6万円台が最安値クラス。7~8万が平均的で、9万を超えるともうちょっと高いぐらいが実情です。
日本のメーカー(NECや富士通)と比べて安い、つまりコスパが良いと勘違いしている人もいます。
実際、相場をどう定義するか?コスパの良し悪しってどう判断するのか?は難しいところですが、メーカーで分けると以下のような傾向が言えるかなと思います。
・コスパが良い
⇒ DELL、Lenovo
・コスパ普通
⇒ HP、ASUS
・コスパちょっと悪い
⇒ mouse、dynabook、microsoft
・コスパ悪い
⇒ NEC、富士通、VAIO
◆過去の体験と比較してしまう
5年前に10万で買ったパソコンよりも安くて性能も良い、つまりコスパが良いというふうに考えてしまう人もいます。
これだけ切り取って見ると、何も悪い考え方ではないのですが、見ている世界が狭い(自分の体験のみ)がために間違ってるというパターンです。
5年前に買ったパソコンより安くて性能が良いのは普通のことなんです。
パソコンは毎年性能がアップしています。同じCore i5でも5年前と今のCore i5では全然性能が違います。そして価格はほぼ同じか、場合によっては少し安くなっています。
当サイトで繰り返していることですが、通常使いなら6万~8万くらい。これぐらい出せば、性能、品質ともに十分なパソコンを買えます。
◆ベンチマーク(マルチスレッド性能)信者
パソコン性能にちょっとくわしくなってベンチマークスコアを知っている人に多いのが、CPUのベンチマークスコアと価格しか見ていないというパターンです。
PassMarkやCinebenchなど有名なベンチマークスコアと、実際にアプリケーションを使用した際の快適度はかなり乖離があることがわかってきており、試験管内のテスト(=ベンチマーク)だけでコスパを語るのはあまり正しくはないです。
ベンチマークスコアはCPUのマルチスレッド性能を測定していることが多いですが、実際のアプリではCPUのシングルスレッド性能が効くことが多いです。
Ryzenのベンチマークスコアはかなり優秀ですが、シングルスレッド性能が効くAdobeのLightroomやPhotoshopとの相性が悪く、インテルよりも遅いです。
インテルとRyzenのパフォーマンスの傾向を知ってるかどうかはコスパを語る上で重要です。
またCPU以外にもメモリ構成がシングルチャネルかデュアルチャネルかによって大きなパフォーマンス差を生むことがあります。
例えば、DELL Inspiron 14 5415とLenovo IdeaPad Slim 550 14型は見た目は同じスペックですがメモリの構成が違います。前者はメモリ8GBがシングルチャネル、後者は4GBx2のデュアルチャネルです。画像編集やゲームで30%前後の差(IdeaPadが上)がありました。Cinebenchのスコアだけ見てる人にはこの差を見抜くことはできないでしょう。
このように、ベンチマークスコアだけで比較していると間違った認識を持つ可能性が高いのです。
これは専門サイトもそうで、いまだにCinebenchだけしかベンチマークをとっていないサイトも見かけます。
◆まとめ
最初の3つは初心者向け。最後の項は中級者向けの内容でした。
コスパと一言で言っても、厳密に考えるとなかなか難しいということです。
当サイトの考え方については、以下の記事も参考にしてみてください。