DELL Inspiron 13 5000 (5390)は2019年6月の発売モデル
13.3型1.24kgと軽くてコンパクト、価格も8万円台からとお手頃で人気が出そうなノートPCです
Inspironシリーズは上から
7000シリーズ
5000シリーズ
3000シリーズ
というランク付けがあり、今回のInspiron 13 5390は真ん中の5000シリーズとなります
価格と性能のバランスが良いので、「パソコンにそんなにお金をかけたくないけど性能は良いものがいい」という人におすすめのシリーズです
実際に使ってみて、いくつか欠点もあったので以下で詳しく見ていこうと思います。
◆レビュー機のスペック
・CPU:Core i7-8565U
・メモリ:8GB
・ストレージ: SSD 512GB (PCIe)
・グラフィックス: NVIDIA GeForce MX250 2GB
・ディスプレイ:13.3型 FHD(1920×1080)
・USB: USB3.1 typeC x1、USB3.1 typeA x1
・インターフェイス:HDMI、microSDカード、ヘッドフォンジャック
・サイズ、重さ:約 307.6×204.7×14.9-16.8 mm、1.24kg
レビュー機はCPUがCore i7、外部GPUとしてNVIDIAのGeForce MX250を搭載したモデルです
価格は2019年10月1日(増税後)現在で10.9万円(税込、送料込)です
さらに安いCore i5モデルだと
・Core i5-8265U
・SSD 256GB
・Intel UHD 620(内部GPU)
という構成で8,1万円となっています
オプションでMicrosoft Officeを付けることも可能です
Inspirion 13 5000シリーズにはLTE対応モデルも用意されています
wifi環境がなくてもSIMカードを挿してネットにつなげたいという人にはLTE対応モデルをおすすめします
◆見た目、デザイン
筐体カラーはシルバー
アルミニウム合金で出来た天板は高級感があります
剛性感もありますし、指紋も目立たないので個人的にはとても好きなデザインです
排気口は底面と背面2つあります
※写真は背面の排気口です
1.24kgという重さは13.3インチノートの中ではちょっと重めですが、片手で簡単に持ち上げることができる軽さです
液晶ディスプレイは光沢タイプで映り込みがありますが、ギラつきはありません
色味はややあっさり目でしょうか。明るさ、視野角は平均以上です
以前、Inspiron 14 5000 (5480)をレビューしたことがあります。そのときは正直ディスプレイの質はまだまだだなあと思いましたが、本機は同じ5000シリーズですが、ディスプレイの質は格段に上がっています。
◆ベンチマーク
CPUはCore i7-8565U
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、9732というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Core i5-8250U 平均値7676
Core i5-8265U 平均値7995
Core i7-8565U 平均値8932
となっています。
レビュー機は平均よりも上。良い結果でした
内蔵されているSSDはSK HynixのSSD、型番はBC501 NVMe SK hynice 512GBです
ベンチマークをとると以下のようになります。
シーケンシャルリードは1600MB/sでPCIe接続のSSDとしては遅め。
4Kリード、ライトはそれそれ42MB/s、116MB/sと平均的です
電源をオンしてからデスクトップが表示されるまでにかかった時間は約15秒でした。
こちらは平均(12秒)よりも遅い結果でした
さらなるテストとして、画像編集の処理速度も行いました。
いくつかの画像を合成して1つの画像を構成する処理なので、
CPUやSSDなど総合的な性能が効いてくるはずです
以下条件の違う4つのPCでのテスト結果です。
1.Core i5-7200U、メモリ8GB、SSD256GB(SATA)
処理にかかった時間:約61秒
2.Core i5-8265U、メモリ8GB、SSD256GB(PCIe)
処理にかかった時間:約29秒
3.Core i7-8565U、メモリ8GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約27秒
4.Core i7-8565U、メモリ8GB、SSD512GB(PCIe)
処理にかかった時間:約29秒
最後4番目の結果が本機の結果です。
平均的なタイムでした
以上をまとめると、
CPUテスト: 良い
SSDテスト: 平均
起動: 平均以下
画像編集: 平均
という感じ。
全体的にはまずまずです。
1.2kg台7~8万のノートPCをいくつかレビューしましたが、どれも性能テストに問題を抱えていました(詳しくは後述しますが、HP Pavilion 13、HP ENVY x360 13、Lenovo ThinkBook 13sなどです)
その中で今回のDELL Inspirion 13 5390は最も良いパフォーマンスでした。
ただし、パフォーマンスは良かったのですが、排気音(ファン音)が大きかったのでそこがマイナス点です。
◆キーボード、タッチパッド
キーピッチ(キーの間隔)は19mm、キーストローク(深さ)は1.3mmです。
Enterキー、Backspaceキーは横のキーとくっついていますが、これは他のキーが小さくならないようにするための苦肉の策。
実際、半角/全角キーや「-」キーなど使用頻度の高いキーも通常の大きさで打ちやすかったです。
一方、EnterキーとBackspaceキーは通常よりも小さくちょっと押しづらいです
このようなキー形状はLenovoのIdeapadシリーズと似ています
※Lenovo Ideapad C340のキーボード
微妙な差ですがLenovoの方がEnterキーが少し広いのでその分押しやすいです
キーボードの打鍵感はまずまず。平均よりは上だと思います。
タッチパッドの広さは105 x 65 mmと平均的な広さ。操作性も良好でした。
◆インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが1つです。
あとはHDMIとヘッドホンジャック、そしてmicroSDカードスロットです
USBポートが全部で2つというのはマイナス点です
人によってはUSBポートの数はそこまで重要ではないかもしれませんが、多い方が便利なことは確かです。
13型ノートでは平均3つ付いているので本機も理想はもう1つUSB-CかUSB-Aが欲しかったところです。
◆バッテリー、排気音、熱など
バッテリーの駆動時間は平均的です
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約6.5時間でした。
問題は静音性です
ちょっと負荷がかかると、ファンの音が鳴りだしてそれがかなりうるさいです
これはGeForce MX250搭載モデルのせいかもしれません。
薄型のデザインでグラフィックスを強化したときには排熱設計(音か熱)に問題が発生することが多いです
◆まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
起動・処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・ファンの音がうるさい
・USBポートが2つだけ
長所
・ライバルよりもパフォーマンスが良い
・筐体デザイン
大きな短所はファン音です
Inspiron 13 5390はCPUのベンチマークスコアが優秀でしたが、ファンが頑張りすぎで優秀な数値が出ているという可能性もあります
外部GPUとしてNVIDIA GeForce MX250を搭載しているせいなのかどうかわかりませんが、ちょっとしたアプリケーションの立ち上げでファンが盛大に回りうるさいです。
個体差という可能性もありますし、またGeForce MX250ではなく、通常の内部GPUモデルにすればマシになるという可能性もあります
GeForce MX250はゲーム用のグラフィックスとしては下位モデルなので、個人的には無理にこれを搭載する必要はないかなという印象です
・Core i5-8265U
・メモリ 8GB
・SSD 256GB
・Intel UHD 620
という構成でも十分メインPCとして使えるはずです
Core i5のモデルだと8.1万円(税込、送料込)
もしぼくが買うならこちらのモデルです
オフィス付きにしても9.5万と10万を切ります
◆13.3型のライバル機種
13.3型1.2kg~1.3kgくらいのノートPCはHP、Lenovo、そして今回のDELLと大手3社が競い合っています
HP Pavilion 13 | HP ENVY x360 13 | Lenovo ThinkBook 13s | DELL Inspiron 13 5390 | |
重さ | 1.26kg | 1.28kg | 1.34kg | 1.24kg |
ディスプレイ | 光沢 | 光沢 | 非光沢 | 光沢 |
USBポート | USB-C x1 USB-Ax2 | USB-C x1 USB-Ax2 | USB-C x1 USB-Ax2 | USB-C x1 USB-Ax1 |
SDカードスロット | フルサイズSD | microSD | なし | microSD |
価格 | 7.5万 | 8.1万 | 7.5万 | 8.1万 |
表を見てもわかるとおり、Core i5(Ryzen 5)でSSD256GBという構成にすると価格はだいたい7万~8万です
どれも一長一短があります
例えばHPのPavilion 13はフルサイズのSDカードスロットが付いていますが、ディスプレイの視野角がちょっと狭いです
今回のDELL Inspiron 13 5390は
○1.24kgと4つの中では最軽量
○CPU性能をフルに発揮できている
×GeForce MX250搭載モデルだとファン音が大きい
という特徴でした。
他機種のレビューは以下の記事を参考にしてみてください
【レビュー】Pavilion 13-an0000 買う前に知っておきたい長所と短所
【レビュー】HP ENVY x360 13-ar0000、Ryzen 5モデルはCPU性能が期待以下だが・・
【レビュー】Lenovo ThinkBook 13sを使ってみた。1.34kgで7.5万とコスパは良いが、性能は少し物足りない
価格は時期により変動しますので、最新の情報をチェックすることをおすすめします
⇒ DELLオンラインストア Inspiron 13 5000(5390)
今回紹介したInspironはCPUが第8世代でしたが、第10世代のComet Lakeを搭載したモデルInspiron 13 5391も発売されました。
デザインは同じでCPUを刷新したモデルとなります
こちらの新モデルは旧モデルよりも少しお高めです