Chuwi(ツーウェイ)という中国メーカーのPCをAmazonで見つけてポチったのが2021年の年末。その後2週間ほど使ってみてますが、なかなか良いです。
LarkBook Xは
- 14インチのオーソドックスなPC
- タッチパネル、2240×1400の高精細液晶
- CPUはCeleron N5100、普段使いOK
- 価格は4万円台
という特徴があります。
実際に使ってみると細かい欠点も見つかりましたので、詳しくレビューしていこうと思います。
レビュー機のスペック
・Windows 10 Home 64bit
・CPU:Celeron N5100
・メモリ:8GB
・SSD: 256GB
・ディスプレイ:14型 (2240×1400) 、光沢、タッチ対応
・USB: USB-C x1 (PD対応)、USB-A x1
・インターフェイス:microSD、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 5対応
・重量: 1.4kg
CPUはCeleron N5100、4コア4スレッドのCPUです。2021年以降に発売されたエントリー向けPCに搭載されています。世代としては第11世代になるので新しいです。Windows 11にも対応しています。後述しますが、性能も悪くありません。
メモリは8GB、SSD256GBと基準となるスペックをクリアしています。
ディスプレイ解像度は2240×1400と2.2K相当の高精細液晶です。
上記の構成で価格は4.3万円(税込、送料込)
5万を切るWindows機としてはコスパは良い方だと思います。
※Amazonでの割引クーポンを使用したときの価格です
デザイン、ディスプレイ
カラーはグレー。黒に近いグレーです。
天板にはアルミ合金を使用しており、なかなか高級感があります。
とても4万のパソコンには見えません。
Chuwiのロゴもこのぐらいの大きさなら許容範囲です。
ただちょっとだけ指紋が目立つかな~という感じ。汗をかく季節だと気になるかもしれません。
DELLやLenovoといった大手の6~8万クラスだと、指紋も目立たないような材質になっているのでそれらと比較すると差があるなと思いました。
重量は1.4kgという発表でしたが、実測すると1.35kgと少し軽めでした。
この軽さなら持ち歩きできますし、ソファでくつろぎながら使うことも可能です。
裏面の小さいフタをドライバーで外すとSSDへアクセスできます。
本機は最初から256GBの容量あるので十分かと思いますが、もしそれでは足りないという人は自身でSSD容量を増やすことが可能です。規格はM.2 2280です。
ディスプレイは
・2240×1400
・縦横比は16:10
・光沢
・タッチ対応
・IPSパネル
という仕様。
高精細できれいなディスプレイです。視野角も広いです。
画面はタッチ操作が可能です。
ただ光沢タイプなので映り込みはけっこうあります。
写真では室内のカーテンが映り込んでいますね。暗い画面になると、こうした映り込みが気になります。
ただご覧のとおり色彩は良いです。これが4万のパソコンだとは信じられないです。
輝度(明るさ)は実測で280nitでした。
6~8万のパソコンの平均が250nitですから、それよりも優秀です。
良い: 価格以上に高級感がある
良い: ディスプレイ輝度はまずまず。高精細。
微妙: 映り込みがけっこうある
微妙: 指紋が少し目立つ
Webカメラ
カメラの写りは良くありません。
ひと昔前のスマホのよう。
HDRが効かず暗いです。色味もイマイチです。
Web会議などで顔色を良く見せるなら外付けのWebカメラを買った方がいいでしょう。
悪い: Webカメラの写り
ベンチマーク
◆初期設定直後はややモッサリ
PCの初期設定が終わった直後は、ドライバのインストールやWindows Defenderなどまだいろいろな処理が残っているせいか、何もしていないのにCPU使用率が高く、動作もモッサリしています。
約20~30分くらい待つと、全ての処理が終わり動きは軽快になりました。
youtubeで4K動画を再生したときのCPU使用率は20%~30%。
問題なく滑らかに再生できました。
◆ PassMarkスコア
CPUはCeleron N5100です。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、3431というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Celeron N5100: 2936
となっています。
レビュー機のスコアは平均よりも高めの数値です。
ちなみに電源から外してバッテリー駆動時のスコアも計測してみましたが、3458と逆に高くなりました。
バッテリー駆動時も安定したパフォーマンスが出せるのは良い点です。
◆リアルなアプリの快適度
当サイトが重視するベンチマークテスト、PCMark10の結果を見てみましょう。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
結果はEssentials(一般的な利用)で基準となるスコアを上回りました。
Essentials(一般的な利用) 5367 (基準4100)
Productivity(ビジネス利用)3395 (基準4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 1552 (基準3450)
ビジネス利用とデジタルコンテンツ制作では基準値をクリアできていません。
やはりこのCPUでは普段使いまでが限度のようです。
なお、このテストでのビジネス利用は、非常に大きなサイズのエクセルファイルを想定した厳しめの条件なので、ぼくが普段行うワード、エクセルを使った簡単な資料作成なら全然問題ありませんでした。
◆Microsoftストアのゲーム
Microsoftストアの人気ゲーム「アスファルト9」をプレイしてみました。
このゲームはレーシングゲームとしては軽めのゲームなのですが、本機のグラフィック性能はそれよりも低く、かなりカクツキがありました。
ゲームに関してはほとんど期待できないと思っておいた方が良いです。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
△Web会議
×画像編集(RAW現像)
×動画編集
×ゲーム
という目安になります。
良い: Celeronの中では優秀
良い: バッテリー駆動時もパフォーマンスが低下しない
微妙: がっつりビジネス利用するのはちょっと厳しい
悪い: ゲームも動きの激しいやつは無理
キーボードとタッチパッド
キーボードは英語配列になっています。
また右端にEnterキーがなく、代わりにHome、End、PgUp、PgDnが並んでいます。
HPやASUSのキーボードで見かけるこの配列。
EnterキーやBackspaceキーが右端にないので、慣れないとタイプミスしてしまう配列です。
ぼくはHPのパソコンを使ったことがあるので、この配列でもすぐに慣れました。
キーストロークは1.4~1.5mmくらい。
柔らかめのタッチですが、打鍵感は悪くないです。
安いPCで一番ネックになりやすいキーボードが予想以上に良かったのは驚きでした。
バックライトも付いているので暗い場所でもタイプしやすいです。
ただタッチパッドは平均以下です。
タップの精度や2本指スクロールの滑らかさは、正直イマイチです。
ストレスになるほどではないですが、クリックしたい場所の隣をクリックしてしまうというようなシーンが何回かありました。
良い: 打鍵感は悪くない
微妙: Enterキーが右端にない
悪い: タッチパッドの操作感が少し劣る
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが1つ。ポートの数は少なめです。
USB-CはPD対応なのでモバイルバッテリーからの充電が可能です。
その他は、microSDとヘッドフォンジャックのみ。HDMIがないので外部ディスプレイに接続することはできません。
悪い: USBポートが2つだけ(あともう1つ欲しい)
バッテリー、排気音、熱など
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約5.0時間でした。
他社のモバイルノートと比較すると短めですが、まあ許容範囲かなと思います。ぼくの場合はほとんど電源につないで使用するので問題なかったです。
熱は筐体の左サイド、特に左側面が熱くなります。
この辺にCPUなど発熱する部材が配置されているのでしょうか。普通のノートPCだと熱いのはキーボードの上部のことが多いので、ちょっとびっくりました。
ファンがないので音はしません。
とても静かで集中できるパソコンです。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・指紋
・Webカメラ
・タッチパッド
・USBポート
長所
・すっきりとしたデザイン
・ディスプレイがきれい
・静か
・4万で買える安さ
細かい短所はあるものの、安さ、デザイン、ディスプレイという長所が際立つパソコンだと思います。
短所の中で一番気になるのはWebカメラでしょうか。「なるほど、こういう所が安い理由なのか」と思った点です。ZoomなどでWeb会議やチャットをしたい人は別個にカメラを買った方がいいかもしれません。
タッチパッドやUSBポートの数などもあと一歩というところですが、4万円台という価格を考えるならこれぐらいが妥当なのかもしれません。
筆者は普段から10万以上のパソコンにダメ出しするくらい辛口タイプ。マイナスばかり言ってるように聞こえるかもしれませんが、全体としては「アリ」です。
ネットと動画見るだけのWindows機ならこれがベストと言えるぐらいです(2022年1月時点)。
日本のメーカーが価格を抑えてやろうとすると
・Core i3
・メモリ4GB
・ディスプレイ解像度1366×768
といったような構成になりがち。
一番重要なディスプレイにお金をかけられないのです。
中国メーカーのChuwi(ツーウェイ)はそのバランスを上手くとっていると思います。
Celeron N5100は普段使いに耐えられる性能がありますし、ディスプレイはきれいで映画やドラマを観たりするのに最適です。
Officeソフトは付いていませんが、ネットに接続できるならMicrosoftのオンラインOfficeが無料で利用できますし、Googleでも同様のアプリを無料で利用できます。Officeなしで価格を抑えてくれたのも良い点です。
Amazonで買う際は割引クーポンを忘れないよう注意しましょう。
価格の下にある「クーポン」のチェックボタンを押すと4.3万円まで割引されます。