HP Pavilion 14-dvは2020年12月発売のノートPC
- 14インチ1.42kgのオーソドックスなノートPC
- CPUはインテル第11世代Core i3、i5
- タッチパネル
という特徴をもっています。
2021年前半は在庫切れや納期の遅れで入手が難しかったこの機種ですが、2021年8月以降ようやく在庫が回復してきています。
Core i3モデルは8.0万円(税込、送料込)
Core i5モデルは9.0万円(税込、送料込)
という価格で販売されています。
レビュー機のスペック
・Windows 10 Home 64bit
・CPU:Core i5-1135G7
・メモリ:8GB (4GB x2)
・SSD: 512GB
・ディスプレイ:14型 (1920×1200) 、非光沢、タッチパネル
・USB: USB-C x1、USB-A x2
・インターフェイス:HDMI、microSDカード、ヘッドフォン
・Wi-Fi: Wi-Fi 6対応
・バッテリー駆動時間: 8時間
・重量: 1.42kg
Pavilion 14-dvはWindows 11へ無料でアップグレード対象製品となっています。
レビュー機のCPUはインテル第11世代のCore i5-1135G7を搭載しています。
メモリ8GB、SSD512GBという構成で9.0万円(税込、送料込)です。
コスパはまずまず。平均的です。
DELL InspironやLenovo IdeaPadといったコスパ最強の2機種には敵いませんが、ボディのデザイン、高級感などは本機の方が上かなと思いました。
オプションでMicrosoft Officeを付けることもできます。
デザイン、ディスプレイ
筐体カラーはセラミックホワイトとSAKURA(ピンク)の2種類。
レビュー気はSAKURA、女性に人気のカラーです。
光の加減によって少し見え方が変わります。
光が当たっている場所ではピンクを強く感じますが、暗い室内ではシルバーっぽい色も少し感じます。
男性はセラミックホワイトが無難でしょう。
天板はアルミニウム合金を使用しており、HPのロゴが入っています。
天板とキーボード面で統一感のあるデザインですし、高級感もあります。
重量は1.42kg、14型ノートとしては平均的な重さです。
毎日の持ち歩きには向きませんが、週に1度の持ち出しとかなら大丈夫そうです。
ディスプレイは
・非光沢
・タッチパネル
という珍しい仕様です。
普通タッチパネルは光沢タイプになることが多いですが、本機は非光沢タイプ。映り込みが少ないので長時間使用でも目が疲れません。
・輝度(明るさ) 270nit
・色域 sRGBカバー率 63%
明るさと色再現性は普通です。
写真はLenovo IdeaPad Slim 550 (2021年モデル)との比較。
IdeaPadの輝度は300nitあるので、若干Pavilionの方が暗く見えます。しかしコントラストはPavilionの方がしっかりしているのでどちらの液晶が良いかは好みによると思います。ちなみにぼくはPavilionの方がいいと感じました。
残念なのはディスプレイ上部のWebカメラ。
使用しないときにカメラを隠したり、ワンタッチでスイッチをオフにできる機構が多くのメーカーで採用されていますが、このPavilion14-dvにはそれがないようです。デバイスマネージャーからオフにすることは可能ですが、できればもっと簡単にオンオフを切り替えることができれば良かったです。
良い: 値段の割に高級感あり
悪い: Webカメラをワンタッチでオフにできない
ベンチマーク
CPUはCore i5-1135G7。PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、10553というスコアでした。
PassMark社が発表している平均値は、
Core i5-1135G7: 10070
となっています。
レビュー機はほぼ平均よりも少し上。期待どおりのパフォーマンスでした。
ちなみに電源から外してバッテリー駆動時のスコアもとってみると、9255と少し低下しました。低下率は12%と許容範囲でした。
◆リアルなアプリの快適度
さらなるテストとしてPCMark10を実施しました。
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフトです。
以下がその結果(スコア)です。
Essentials(一般的な利用) 8914 (目安4100)
Productivity(ビジネス利用)6269 (目安4500)
Digital Contents Creation(デジタルコンテンツ制作) 4402 (目安3450)
すべての項目で目安となるスコアを上回りました。Core i5でも十分な性能があることがわかります。
◆Ryzen 5 5500Uとの比較
Core i5-1135G7はRyzen 5 5500Uに見劣りしません。
PCMark 10の結果(スコア)を比較したのが次の表です。
DELL Inspiron 14 AMD | Lenovo IdeaPad Slim 550 | HP Pavilion14-dv | |
アプリ起動 | 9610 | 10256 | 10920 |
ビデオ会議 | 7874 | 8206 | 7925 |
Webブラウジング | 7400 | 7961 | 8185 |
表計算 | 9143 | 9266 | 5541 |
文章作成 | 5486 | 5916 | 7093 |
画像編集 | 6316 | 8003 | 6765 |
レンダリング | 3709 | 5023 | 2702 |
動画編集 | 3362 | 3562 | 4669 |
DELLのInspironとLenovoのIdeaPadはRyzen 5 5500Uを搭載しています。
対するHP PavilionはCore i5-1135G7。
アプリ起動やWebブラウジングといった基本的な作業のスコアは、Ryzen 5搭載機よりも上です。文章作成のスコアもCore i5が上回っています。
Core i5が苦手な作業もありますが、普段使いやビジネス利用に関してはRyzen 5よりも快適に使用できる可能性が高いと言えます。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
その結果が下の表になります。
CPU | メモリ | タイム | 検証機数 |
Core i7-1165G7 | 8GBx2 | 8.7 | 5 |
Core i5-1135G7 | 4GBx2 | 10.6 | 1 |
Ryzen 7 4700U | 8GBx2 | 10.7 | 2 |
Ryzen 5 4500U | 8GBx2 | 11 | 1 |
Ryzen 5 5500U | 4GBx2 | 15.7 | 1 |
Adobeを使うならRyzenよりもインテルの方が安定しています。
ただし本機はメモリが8GBなので、Photoshopの現像以外の作業まで考えるとややスペック不足かなと思います。PhotoshopやLightroomをガッツリ動かすなら、メモリは16GBあった方がいいでしょう。
軽めのRAW現像までならCore i5でも十分です。
◆軽めのゲーム
最後にファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)でベンチマークをとってみました。
1920×1080 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは3447、「設定変更を推奨」という悪い結果でした。
Core i5 + Intel Iris Xeグラフィックスという組み合わせではゲームはちょっと厳しいと言わざるを得ません。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集(RAW現像)
△動画編集
×ゲーム
という目安になります。
良い: 通常使い、ビジネス利用までなら超快適
良い: 軽めの画像編集も快適
悪い: ゲームは厳しい
キーボードの配列と打鍵感
Pavilion 14-dvのキーボードはEnterキーが右端にありません。
代わりにhome pgup pgdn endキーが配置されています。
HPのノートPCでよく見るこの配列。慣れないと、タイプミスしてしまう配列です。Enterキーもそうですが、Backspaceキーと間違えてhomeキーを押してしまうことが多いです。その代わり、全体のキー形状は良好で、歪な形をしたキーはありません。
キーピッチ(キーの間隔)は18.7mm、キーストローク(深さ)は1.3mmです。
ストロークは浅めで、打鍵感は柔らかいです。もう少し押し切った後の反発があってもいいかなと思うのですが、こればっかりは個人の好みが出るところなので何とも言えません。
キーボードはバックライト付きなので暗い所でもキーが光ります。
F11キーを押すとバックライトを調整できるのですが、明るい場所でバックライトをオンにすると逆にキーの印字が見えにくくなります。
暗い場所でバックライトを使用してそのまま明るい場所に移動した際にちょっと面倒だなと感じました。まあ実際使っていてそういった場面はあまりないと思いますが個人的には気になりました。
悪い: Enterキーが右端じゃない
良い: キーの形状はきれい
微妙: 打鍵感は柔らかめ
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが2つです。
USB-Cの1つはThunderbolt 4ではなく転送速度は10Gbpsと通常のUSB-Cの速さです。PD対応なのでモバイルバッテリーから充電できますし、映像出力にも対応しています。
他はHDMIとmicroSD、そしてヘッドフォンジャックです。
14型ノートとしては平均的なインターフェイスです。
バッテリー、排気音、熱など
以下の条件でテストしてみました。
・画面の明るさをMAX
・wifi環境
・youtube動画を流しっ放し
結果は約6.5時間。バッテリーライフは平均的でした。
あと熱や騒音の問題はありませんでした。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆☆ |
バッテリー | ☆☆☆☆ |
コスパ | ☆☆☆☆ |
短所
・Enterキーが右端じゃないキーボード
・Webカメラの物理シャッターなし
長所
・高級感のあるボディ
・普段使い、ビジネス利用ならRyzen 5よりも快適
全体的にはまずまずのレベルにまとまったPCだと思います。
短所はキーボードとWebカメラ。自分の好みで申し訳ないですが、キーボードの配列、打鍵感ともにイマイチでした。慣れるとそこまで気にならないかもしれませんが、普段オーソドックスな配列に慣れている人だと違和感があると思います。
ただ、海外メーカーの10万以下の機種はキー配列やキー形状など何かしら問題があるのがほとんどですから、そういう意味ではDELLでもLenovoでもHPでもあまり変わらないと言えます。
長所はデザインと性能。
10万を切る価格としてはかなり良いです。
CPUはCore i5-1135G7で、普段使いなら最新のRyzen 5よりも快適です。
Core i5モデルはSSD容量が512GBと大容量になるのもうれしい点です。
価格は9.0万円(税込、送料込)です。ライバル機であるDELL InspironやLenovo IdeaPadが7万円台。安さでは見劣りしますが、高級感のあるボディが魅力です。
またMicrosoft Officeが40%OFFになっているので、オフィス付きにしたい人にはうれしいポイントです。
現在は即納モデルを販売中。5営業日で届けてくれます。
DELL Inspiron 14 AMD (Inspiron 14 5415)とLenovo IdeaPad Slim 550 14型のレビュー記事も参考にしてみてください。