今回はSurface Laptop Go 3のレビュー記事です【Microsoft貸出提供】
Surface Laptop Go 3は2023年9月発売のノートPC
- 12.4インチ 3:2ディスプレイ
- 性能は少し抑えめ
- 重量は1.13kg
- MS Office Home and Business 2021がついてくる
- 基本的なデザインはLaptop Go 2と同じ
という特徴があります。
Surfaceシリーズの中で、オーソドックスなノートPCを安く買おうとなったらこのLaptop Goが最有力になります。
新モデルのLaptop Go 3ではメモリ16GBのモデルも用意されています。ただし価格もアップして17万円台(2023年11月時点)と高めなのがネックです。
ネットとワードエクセル程度の軽めの作業用であれば、メモリ8GBの構成にするのもありかなと思います。それなら12万から用意されています。
まずはスペックから見ていきましょう。
レビュー機のスペック
・Windows 11 Home 64bit
・CPU: Core i5-1235U
・メモリ: 16GB
・SSD: 256GB
・ディスプレイ: 12.4インチ 1535x1024、光沢、タッチ対応
・USBポート: USB-C x1、USB-A x1
・インターフェイス: Surface Connect、ヘッドフォン
・Webカメラ: HD(720p)、プライバシーシャッター無し
・顔認証なし、指紋認証あり
・サイズ: 278×206×15.7 mm
・重さ: 1.13kg
・Microsoft Office Home & Business 2021
レビュー機はCore i5、メモリ16GBという構成。11月17日時点では17.2万円(税込、送料込)です。
一番安いモデルはCore i5、メモリ8GB、SSD128GBで12.0万円(税込、送料込)となっています。
※価格の最新情報はMicrosoftのオンラインストアで確認してください。
デザイン、ディスプレイ
カラーはアイスブルー(薄い青)、セージ(グリーン系)、サンドストーン(ピンクゴールド)、プラチナ(グレーシルバー)の4種類。
レビュー機はサンドストーン(ピンクゴールド)です。
筆者の第一印象は「おしゃれ」。
妻の感想は「かわいい」
でした。
男性が使っても問題ないと思いますが、妻の意見はやっぱり女性向けかな~とのこと。
光の加減で、ピンクがやや強く見えるときもあります。
ちなみに、2022年発売のLaptop Go 2ではカラーはセージをレビューしました。
上はSurface Laptop Go 2のセージ。こちらはグレーにちょっとグリーンが入った色で、室内ではほぼグレーに見えます。なかなかシックでいい色だと思いました。セージの方は妻いわく、「もっと明るい色の方が好き」とのこと。やはりこの辺は個人によって好みは分かれます。
ボディの質感はとても高級感があります。
重量は実測で1.12kgです(カタログ値は1.13kg)
まずまずの軽さです。
ディスプレイは
・12.4インチ
・縦横比3:2
・1536×1024
・光沢、タッチ対応
・輝度(明るさ) 350nit
・色域 sRGBカバー率 99%
という仕様。
光沢タイプなので映り込みがありますが、画質はとても良いです。
12.4インチで1536×1024ピクセル。解像度は148ppiとなります。15.6インチディスプレイに1920×1080で解像度は141ppiですから、148ppiの画質が悪いと感じることはありませんでした。
写真はThinkPad X1 Nano (24万)との比較。
色や明るさはほぼ同等といっても良いくらいです。
Surfaceシリーズはどの機種もディスプレイの質がしっかりしていると感じます。
あと縦横比が3:2なので、Webページを表示したときの情報量が少し増えます。
微妙な差ですが、作業効率をアップしたい人にはうれしい仕様です。
良い: 高級感のあるデザイン
良い: コンパクトかつ頑丈
良い: 明るいディスプレイ。3:2で作業効率アップ
Webカメラ
Webカメラは顔認証あり。プライバシーシャッターは無しです。
解像度はHD(720p)です。
写りはまずまず。
コントラストが効いていてとてもクリアです。
最近の主流はFHD(1080p)なので、本機はそれよりも低解像度です。
しかし元々Surfaceはカメラに力を入れているので、他機種のFHDカメラと比べても遜色ありません。
良い: 他機種のFHDカメラと同等の写り
悪い: プライバシーシャッター無し
ベンチマーク
CPUはCore i5-1235U。インテル第12世代です。
ベンチマークをとる際の設定は「最適なパフォーマンス」です。
PassMarkのベンチマークテストを実施したところ、
シングルスレッド: 3405
マルチスレッド: 14347
というスコアでした。
Core i5-1235Uの平均値よりも高めのスコアで期待以上です。
性能はミドルレンジ。現行のインテル第13世代やRyzen 7000番台と比べると少し見劣りします。
◆PCMark 10
PCMark10は一般的な利用、ビジネス利用、デジタルコンテンツ制作の3種類の作業の快適さを計測するベンチマークソフト。その結果は以下のとおりです。
この中で、特に注目したのは
・アプリ起動 (App Start-up)
・Webブラウジング (Web Browsing)
・文章作成 (Writing)
の3つ。
この3つのスコアの幾何平均を普段使いの快適度と見なして他の機種と比べると以下のようになります。
機種 | CPU | 普段使いの快適度 * |
ThinkPad X13 Gen 4 | Core i5-1335U | 9594 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 9250 |
Surface Laptop Go 3 (設定 =最適) | Core i5-1235U | 9177 |
ThinkPad X1 Nano | Core i5-1340P | 9086 |
ENVY x360 13-bf | Core i7-1250U | 8606 |
Inspiron14 5425 | Ryzen 5 5625U | 8516 |
ThinkBook 13x Gen 2 | Core i5-1235U | 8282 |
Surface Laptop Go 2 (設定=最適) | Core i5-1135G7 | 8201 |
Surface Laptop Go 3 (設定 = おすすめ) | Core i5-1235U | 7416 |
IdeaPad Slim 170 (2023) | Ryzen 5 7520U | 7067 |
電源設定を「最適なパフォーマンス」にすると、まずまず優秀なスコア。先代のLaptop Go 2と比較すると約12%アップしています。
一方、設定を「おすすめ」にするとスコアはだいぶ下がり、Laptop Go 2の最適モードよりも下になります。
デフォルトでは電源設定は「おすすめ」になっています。性能的にはかなり物足りないので、できれば最適モードに変更して使うといいでしょう。
Microsoftの推奨設定は「おすすめ」
当サイトの推奨設定は「最適なパフォーマンス」
です。
◆PhotoshopでRAW現像
PhotoshopでRAW現像10枚にかかる時間を計測してみました
機種 | CPU | タイム(秒) |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 6.0 |
ThinkBook 13x Gen 2 | Core i5-1235U | 7.7 |
ENVY x360 13-bf | Core i7-1250U | 7.9 |
ThinkPad X13 Gen 4 | Core i5-1335U | 8.2 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 9.0 |
Surface Laptop Go 3 | Core i5-1235U | 10.3 |
現行モデルの中では下位です。Photoshop自体はまずまず快適ですが、他と比較すると見劣りします。
◆Davinci Resolveで動画編集
動画編集ソフトのDavinci Resolveで180秒の動画をyoutube用に書き出すのにかかった時間を計測してみました。
機種 | CPU | タイム (秒) |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | 62 |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | 79 |
ThinkBook 13x Gen 2 | Core i5-1235U | 87 |
ENVY x360 13-bf | Core i7-1250U | 93 |
ThinkPad X13 Gen4 | Core i5-1335U | 94 |
Surace Laptop Go 3 | Core i5-1235U | 123 |
書き出し速度も遅めです。
◆軽めのゲーム
最後は定番のベンチマーク、ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ(2021年発売)です。
1536×1024 標準品質(ノートPC)という条件でスコアは6621、「やや快適」という結果でした。
機種 | CPU | グラフィックス | fps |
Yoga Pro 7i Gen 8 | Core i7-13700H | RTX 4050 | 137 (1080p) |
Zenbook 15 OLED | Ryzen 7 7735U | Radeon 680M | 54 (1080p) |
Inspiron 13 5330 | Core i5-1340P | Intel Iris Xe | 46 (1080p) |
Inspiron 14 5435 | Ryzen 5 7530U | AMD Radeon | 37 (1080p) |
Surface Laptop Go 3 | Core i5-1235U | Intel Iris Xe | 47 (1024p) |
モバイルPCとしては健闘していると思いますが、やはりゲームは厳しいと思います。
以上のことをわかりやすくまとめると
○ネット、動画鑑賞
○オフィス系ソフトで事務作業
○Web会議
△画像編集
×動画編集
×ゲーム
という快適度になります。
良い: 普段使いの快適度は十分
微妙: デフォルトの設定は性能を抑えすぎてる
悪い: 動画編集やゲームは苦手
キーボードの配列と打鍵感
キーボードは先代モデルから変わっていません。
キーピッチ(キーの間隔)は18.5mm、キーストローク(深さ)は1.4mmです。
キーの打鍵感は柔らかめです。コトコトに近い音で、音も小さいです。
Enterキーの形状はご覧のとおり、下半分が少し細いです。
この細さのせいで微妙に小指が届かないということがあります。
あとバックライトがないのも残念な点です。暗い場所でタイプすることはあまりないと思いますが、最近は大体ついていることが多いバックライトが本機にはないです。注意しておきましょう。
良い:静かな打鍵音
微妙: Enterキーの形状
悪い: バックライトなし
インターフェイス
USBポートはUSB-Cが1つとUSB-Aが1つです。
USB-Cは電源供給(タイプC充電)、映像出力に対応しています。
あとHDMIやSDカードスロットがないので、変換アダプターが必要となります。
悪い: USBポートが2つ。少ない
ペンは非対応
最後に1つ注意点。
Surface Laptop Go 2はタッチパネルですが、ペンは使えません。ペンを使いたいという人は、Surfaceの他のシリーズがおすすめです。
評価まとめ
デザイン | ☆☆☆☆ |
キーボード・タッチパッド | ☆☆☆☆ |
ディスプレイ | ☆☆☆☆ |
性能、処理速度 | ☆☆☆ |
インターフェイス | ☆☆☆ |
コスパ | ☆☆ |
短所
・用途の幅が広くない
・USBポートや他の端子類が少ない
・メモリ16GBの価格が高い
・旧モデルからの変更点が少ない
長所
・軽くてコンパクト
・高級感のあるデザイン
・明るいディスプレイ
・ビジネス利用までなら快適
CPUがインテル第12世代になり、メモリも16GBとスペックはだいぶ上がったように見えますが、画像編集や動画編集にはまだ性能が不足しています。
DELLやLenovoで10万前後で買える機種よりも性能面で劣っていることは事実として認める必要はあるでしょう。
メモリ16GBにすると価格が17万と高くなるのもネックです。
ただコンパクトかつ高級感のある機種なので、Surfaceのブランドイメージを重視する人には依然として魅力はあると思います。画面が3:2でタッチパネルになっている点はあまり見かけない特徴です。
価格を抑えたい場合はランクを下げて、Core i5、メモリ8GB、SSD128GBの構成にするのも手かと。これだと12.0万(税込、送料込)です。
また今なら先代のSurface Laptop Go 2が安く買えます。